3日目の出来事ー5

 ・もう一つ、何度も確認されたことがあった。司法解剖を行うかどうかだ。事件であれば有無を言わさず司法解剖されるのだろうが、妹の場合は遺族の希望も聞いて、ということになるようだ。捜査状況によっても変わるとのことだが、一応希望は聞かれた。死因など詳細が分かればと思い承諾したが、後日、警察から連絡があり、司法解剖はしないことになった。理由は確認できていない。

・警察がアパートから回収してきたものの中に、見覚えのある、一冊の古びたノートがあった。鑑識の人が不思議そうに「なんだか通院記録のようなものが書かれているんだけど、日付がずいぶん古いんだよね」。

・古いのは当然で、そのノートは、父が母の介護を始めたころの記録をつけていたノートだった。その旨を申し出ると、「なんだ…」と残念そうな返事が。捜査を攪乱して申し訳ない。

・頬の内側からDNA鑑定用の検体をとって、この日の会談は終了。妹の遺体は鑑定が終わるまで警察署の管轄下に置かれることになった。「終わり次第引き取っていただけるよう、葬儀会社だけは決めておいてください」と言われ、警察を出る。

・バスで駅まで戻り、電車で自宅に戻る。やることはたくさんあるのだろうが、何をすればいいのかは具体的によくわからない。そんな気持ちが頭の中をぐるぐる回ってどうにもならない。奥さんもこの時点ではそうだったらしく、二人ともほとんど口をきかず自宅についた。

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